味わい・生産者について
- 規格/タイプ
- 赤/辛口/750ml
- ヴィンテージ
- 2025年
- 生産者
- ドメーヌ・フォン・シプレ(Domaine Fond Cyprès)
- 産地/アペラシオン
- フランス/ラングドック/コルビエール/エスカル/VdF
- 品種
- シラー 100%
- アルコール度数
- 13.5%
- 樹齢
- 24年
- 土壌
- 石灰質・粘土質
- 醸造
- セメントタンクで11日間マセラシオン。自然酵母で9日間発酵後、セメントタンクで8か月熟成。
SO₂無添加、ノンフィルター。
- 収穫・収量
- 2025年9月3日収穫/18hL/ha
- おすすめグラス
- 大ぶりで縦長のボウルを持つボルドー型赤ワイングラス(当店目安)
- ワインの飲み頃
- 2026年〜2036年
- 提供温度
- 18℃
- ペアリング料理(生産者より)
- 田舎風パテ、野ウサギのシヴェ
- ペアリング料理(当店提案)
- 田舎風パテ ピスタチオとセージ、野ウサギのシヴェ 黒オリーブとローズマリー、牛すね肉の赤ワイン煮込み 甘草と八角
師匠フレッドの助言とレティシアの感性が生んだラングドックのシンデレラワイン!
■生産地■
世界遺産に登録されている城塞都市カルカソンヌを東に 30 km ほど進んだ、ミネルヴォワとコルビエールの
境目にある村エスカル。そこにドメーヌ・フォン・シプレがある。ブドウ畑は、ドメーヌのまわり一面を取り
囲むように、南を背に標高の低い場所から小高い丘に沿ってテラス状に広がる。気候は地中海性気候で夏は暑
く乾燥しやすいが、畑が北斜面にあるおかげで、年中風の通りが良く、ブドウは直射日光から守られる。また、
石灰質の分厚い粘土層は、ブドウに細かいチョークのようなミネラルエキスを潤沢に与える。このドメーヌ周
辺は、ワインの他にカルカソンヌの郷土料理に代表されるトマト風味のカスレや鴨のコンフィ、オリーブなど
が有名。
■歴史■
ドメーヌの当主であるレティシアは、高校を卒業後 1985 年パリで美術商を目指し学んでいたが、一生の仕事
ではないと判断した彼女は、美術商の道を諦め、1988 年南の両親の下に戻り、彼らと共にカルカソンヌ郊外
でシャンブル・ドット(民宿)を始める。当時、彼女の両親は祖父から引き継いだ畑 5 ha を有しており、高
校の教師をしていた父親がワインづくりを兼業していた。1998 年、エスカル村にカーヴ付で 7 ha のブドウ
畑がまとまって売りに出ていたのを知った父親は、畑を買い替えることを決める。この時ワインづくりに興味
を持ち始めた彼女は、同年カルカソンヌのワイン学校に通い始める。翌年の 1999 年にはドメーヌの丘の上の
森を 6 ha 開墾しブドウを新たに植え、着々とドメーヌ立上げの準備を整える。それから 5 年後の 2004 年、
父親が教師の定年を迎えたのを機にシャトー・フォン・シプレを立ち上げ、彼女がオーナーとなる。2005 年、
彼女の夫であるシャソルネイ・デュ・スッドの共同管理者ロドルフ・ジャネジニを通じてフレデリック・コサ
ールに初めて出会う。2010 年、ドメーヌ経営とワイン造りに行き詰っていたレティシアだったが、フレッド
のアドバイスを取り入れワイン造りを一新し、ワイナリー名もシャトーからドメーヌに変え新たな再スタート
を切る。
■生産者■
オーナーのレティシアは、父親と夫であるシャソルネイ・デュ・スッドの共同管理者ロドルフと 3 人で現在
18 ha の畑を管理している。(繁忙期は季節労働者数名を雇う)ブドウ品種は、白ワイン用のブドウであるグ
ルナッシュ・ブラン、ヴィオニエ、ルーサンヌ、そして赤ワイン用のブドウのシラー、グルナッシュ、カリニ
ャン、サンソーがある。ワイン総生産量は 630 hL 前後だが、その内の約半分はまだワイン農協に桶売りをし
ている。元々ドメーヌを立ち上げた時から BIO に興味があり畑も有機だったが、2005 年にフレデリック・コ
サールと出会って以来、ヴァンナチュール、特に酵母無添加、SO2ゼロのワイン醸造に興味を持つ。2010 年、
フレッドのアドバイスによりドメーヌは見事な改革を遂げ、ワインのスタイルもカジュアルなものからより繊
細でかつ重厚で高級感のあるものに変化させた。彼女の現在のモットーは「完熟したブドウでエレガントなワ
インをつくる!」こと。シンプルだが、南では殊更両立の難しい永遠のテーマを自らに課す。四六時中ワイン
のことばかり考えている、根っからのヴィニョロンだ。
■ちょっと一言、独り言■
私が初めてレティシア・ウリヤックのつくったワインを試飲したのは 2009 年、フォン・シプレのロゼのペティアン・ナチュレルだった。ちょうどヴァンクゥールがシャソルネイ・デュ・スッドを取り扱うにあたり、ワインの情報収集でロドルフ・ジャネジニと会った時だった。彼が「私の妻が現在つくっているワイン」として持参したのが、そのロゼ・ペティアンだった。今でも覚えているのだが、レモネードの透明瓶に入れられたロゼはデゴルジュマンされていなく、かなり澱が底にたまっていて、開ける度に泡が勢いよく飛び出し、たちまちワインが半分くらいまでなくなってしまうようなかなりガス圧の高いものだった。でも、味わいは、ちょっと還元臭がきついが、とてもミネラリーで美味しかった。「これがガス圧の低いモノであれば面白いかも」ととても興味はそそられたのだが、何せ瓶の差が激しく、さらにロドルフが言うに「時々、ガス圧のせいで液漏れもある」というので、「モノが良くても取り扱いはまず無理だろう…」とその場で取引が難しいと伝えた。
翌年の 2010 年 7 月、ロドルフが自宅に招待してくれた時に、私は初めてレティシア本人と会った。華奢でブロンド髪のきれいな女性だが、どこか疲れのあるような面持ちで暗い印象だった。彼女は食事中、フォン・シプレのワインをいくつか試飲させてくれたのだが、説明も今一つで、全体的に自分のワイン対する自信のなさだけが伝わるような内容で、結局彼女の奨めてくれた赤ワインも、何も印象のないまま終わってしまった。以来、彼女のワインには正直あまり良いイメージを持てずにいた。だが、転機は 2012 年モンペリエのミレジムビオ・ワインサロンで訪れる!私自身は、シャソルネイ・デュ・スッドのロドルフに会うつもりでスタンドに立ち寄ったのだが、その時スタンドにはレティシアしか立っていなかったので、軽く挨拶しロドルフのワインだけパッと終わらせて立ち去ろうと思っていた。一通り試飲を終わらせると、彼女が「私の新しい 2011 年のワインもついでに試飲しますか?」と笑顔で私に聞いてきたので、何となく流れのまま試飲してみることにした。並べ始めたボトルを見てみると…あれ?ボトルに高級感が出ているし、ラベルはとてもシンプルになっているじゃないか!?「今年からイメージチェンジをしたのかな?」なんて思いながら、最初に出されたシラーを試飲してビックリ!前回、家に招待された時に飲んだワインの味わいと全く違う!!重厚だが味わいにフィネスを感じる!グルナッシュ、カリニャンと立て続けに試飲したが、どれも同じくアルコールが高いのに、エレガントで品格がある!私は素晴らしいワインを掘り出した時にあるドキドキ・ワクワク感で興奮していた!「どうしてこんなにワインが劇的に進化したのだろう…?」、「どうやったの?畑を変えたの?」等々、突然彼女のワインに興味が沸き、短期間で変化したワケを知りたくなった。変化のきっかけ…それは「フレッデリック・コサールの醸造アドバイス」だった。フレッドから「レティシアはセンスがある!」と、かつてコラボワインを手掛けた時から一目置かれていた。彼女自身も、当時から SO2 無添加の完成度の高いワインをつくりたいと思っていたが、なかなか思うようなワインがつくれず、いつも悪戦苦闘の連続だった。加えて、クラシックで教科書的な醸造を好む父親のアドバイスも彼女の進展の足かせとなっていた。「SO2無添加ワインにチャレンジするに当たり、精神的な後ろ盾となっていたのがフレッドのワインだった。でも、当時は彼のように精度の高い安定したワインをつくり上げるまで行かなかった…」と彼女は振り返る。父親の反対にもあい、自信喪失気味になっていた彼女を見るに見かねて、助け船を出したのがフレッドだった。「ある時、フレッドと一緒に食事をして、彼が醸造のポイントを詳細に語ってくれた時に『これだ!』と直感した!」と彼女は言う。「たとえば、樽の扱いひとつをとっても、我々とフレッドの感覚は全く違う。彼は、樽にワインを入れる直前に、その入れるワインを使って樽を一度リンスする。こんな地味で面倒な作業は、ラングドックでは正直誰も行わない!」収穫時にブドウの pH に注目する点や、赤ワインでも適度なガスを残すこと等々、フレッドの醸造ディテールに対するこだわりは、彼女にとって全て目からうろこの落ちるような大きな発見だった。
2011 年ミレジムから醸造ノウハウを取り入れた彼女は、今までの鬱憤を晴らすかのように、SO2 無添加で完成度の高いワインをつくり上げることに成功する!何よりもこのワインの激変に一番興奮しているのは、アドバイスを送ったフレッド本人だった!彼曰く、「ちょっとしたアドバイスのつもりで彼女に醸造のコツを教えたが、まさかここまで素晴らしいワインをつくってくるとは想像していなかった!」とあらためて彼女のセンスに感服していた。現在、「SO2 無添加のワインを如何にしてつくるか?」というレベルを卒業し、もう一段上の「SO2 無添加のワインで如何にテロワールを表現できるか?」というレベルを目指すレティシア。今の彼女は自信と笑顔に満ちあふれている!2010 年に会った頃の面影はもうない。フレッドの助言から彼女の感性が大きく開花したラングドックのシンデレラワイン!これからの活躍がとても楽しみだ!
保管・ワインのお取り扱いについて
当店のワインには、無濾過・無清澄、酸化防止剤(SO₂)無添加または極少量のものが含まれます。
澱、酒石酸結晶、微発泡などが見られる場合がありますが、ワインの自然な特性であり品質に問題はございません。
ワインセラー、または12℃前後の冷暗所で保管してください。澱が気になる場合は、ボトルを立てて落ち着かせ、ゆっくり注いでお召し上がりください。
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